初版『呼吸運動療法の理論と技術』を最新の知見に基づき改訂,新規項目として「調息(呼吸と心理の関わり)」「画像診断」「吸引」などを追加した1冊である。呼吸器障害のある患者の社会復帰を妨げる大きな因子として「呼吸困難感」がある。「呼吸困難感」を訴えるときの患者の表現は様々であるが,これにより日常生活活動が制限され,またしばしば呼吸リハビリテーションの最中に手技・訓練が中断する。呼吸不全を呈した場合の呼吸困難による活動制限と,呼吸不全がないにもかかわらず起こる呼吸困難感による活動制限の違いに留意しながら,なぜ「息苦しい」が起こるのか(理論),どうすればその「息苦しい」を取り除くことができるのか(技術),「息苦しさ」をやわらげる呼吸リハビリテーションの理論と技術の実際について,わかりやすく解説した。