目次
1 行政の転形と法の支配(行政権の転形と法治主義―新型コロナウイルス感染症対策から考える;行政を含む社会全体の情報化と法の支配;科学・技術の動態勢と法治主義に関する省察―近年の医薬品関係法の改正動向の分析を中心に;環境配慮の適時性に関する省察)
2 行政領域と法の支配(調査義務からみた生活保護行政の省察―被保護者の協力行為との関係という視角から;医事法における行政・専門知・権利利益の構造―COVID‐19まん延下で生じた、稀少な医療資源の分配からの排除;教育行政における「法治主義」の転形;文化芸術領域における補助金交付決定の法構造―あいちトリエンナーレへの不交付決定を事例にして;公有水面埋立承認処分の効力と事業者の法的地位)
3 地方自治と法の支配(国の関与の転形と地方自治の規範的秩序の形成―沖縄県漁業調整規則に基づくサンゴの特別採捕許可にかかる関与取消訴訟を素材に;地方自治の保障からみた関与の法定主義の省察―ふるさと納税不指定訴訟・上告審判決の批判的検討;機能的自治と地方自治―その異同と代替可能性の省察;福祉サービス提供体制の省察―自治と民主制の視点から)
4 外国法からみた法の支配(イギリス行政訴訟における無効概念と判決効―イギリス行政法学の近時の理論動向;行政の実効性確保制度の法典化に関する一試論―台湾の行政執行法・行政罰法の施行を踏まえて;公共調達契約の締結手続と法の支配―EU、ドイツの事例;現行ロシア憲法における大統領制の転形―比較憲法の独自類型)
著者等紹介
本多滝夫[ホンダタキオ]
龍谷大学法学部教授
豊島明子[トヨシマアキコ]
南山大学大学院法務研究科教授
稲葉一将[イナバカズマサ]
名古屋大学大学院法学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
法の多層化と法の形成主体の多極化が進む現代世界にあって、「法の支配」「法治主義」の共時的課題を通時的に省察する。