輸入元様資料より抜粋
ムーゾン・ルルーを剛と例えると、トーマのシャンパーニュは柔。
繊細で上品なナチュラルワイン好きな方にはまずはぜひ1本手に取ってもらいたいと思います。
《モンターニュ・ド・ランス》の北西側の麓にある、
1級格付けの村《Chamery=シャムリー》で、トーマ・ペルスヴァル氏は、2.5haのブドウ畑から年間
12000〜14000本のシャンパーニュを生産しています。
この村には30人弱の生産者がおりますが、
ビオロジックを実践しているのは彼含めてわずか4人です。代々、ブドウ栽培の他に約60haの穀物(小麦やとうもろこし)を育てる複合経営の農家です。
1960〜1970年代、トーマの祖父の時代は協同組合の一員でブドウは同組合に売っておりました。
1986年彼の父の代になり協同組合から抜けて
初めて自社でシャンパン作りを始めます。ちなみに現当主トーマは、小麦畑を50haもっており、この畑ももちろんビオロジックで、協同組合に売っているそうです。
アヴィズ村の農業学校を出たトーマ氏は、ブルゴーニュ地方のビオロジック栽培を行うワイナリーで経験を積み、2004年に蔵に戻って父を手伝い始めます。
まず初めに小型のトラクターと、ブドウかぶの周りに生える雑草を刈る道具を買って土を耕し、除草剤を使わないブドウ栽培を開始。2008年からは、調剤500番と501番を用いた
ビオディナミ農法も導入しました。月日をかけて土をじっくりと観察したところ、地中数cmの根の部分で雑草を刈った結果、草を完全に枯らしてしまい土が乾きミミズや小さな昆虫が減っていく事に気づきました。
その後、その刈り方を変え、土の湿気を保つために地上15cmくらいの高さで雑草を刈り取る方法に変更します。雨が少ない夏は、草刈を控えて、草が地面を覆うようにコントロールするなど、土が適度に湿り気を蓄えた
《活きた土作り》を心がけて丁寧な栽培を行っております。その後、イラクサ、トクサやタンポポを用いてビオディナミを強化していきます。
畑は全体で7区画、そのうち約50%をトラディションに使用、ピノノワール33%、ピノムニエ33%、シャルドネ30%、残りはプティ・メリエ、アルバンヌ、ピノブランをほんの少し植えております。少量ですがコトー・シャンプノワも造っております。
2012年にエコセール認証を取得。ブドウの温度が低い状態でアルコール発酵を始められるように、基本的に午前中に収穫を行います。
醸造面でも2011VTGまでは父の造り方を踏襲しておりましたが、2012年からは醸造もトーマ自らがベストだと考える方法へシフトしていきます。(たとえば、2014VTGからはプレスしたジュースを直接木樽へ移してそのままアルコール発酵、同じ樽で熟成させます。またこの年からは
全てのキュヴェが天然酵母のみでのアルコール発酵です。ルミアージュ (動瓶)も全て手作業で1日2回動ビンして15日間行います。)
ブドウの平均収量は50〜65hl/ha。圧搾は
シャンパーニュ地方の伝統的な垂直式の圧搾機を使用。一晩デブルバージュさせた後、木樽に入れて天然酵母で発酵させます。乳酸発酵は自然に任せておりますが、ブドウがよく熟しているのでリンゴ酸が少なめです。結果、乳酸発酵が起こりやすく、ティラージュまでの樽熟成期間が長いので(8〜11ヶ月)その間に乳酸発酵することが多いです。
ティラージュの際は、リザーヴワインを混ぜず単一ヴィンテージだけで瓶詰めし、瓶内二次発酵・瓶内熟成の期間は約2年。デゴルジュマンについては、「トラディション」と「グランド・キュヴェ」は基本的にノンドザージュで、SO2の総量は25mg/Lを超えることは稀です。
いずれのキュヴェも、
かの人気有名生産者達にも引けを取らない出来栄えです。先々お楽しみいただければ幸いです。