内容紹介地方財政は官僚出身知事の誕生にどのように関わっているのか。政府、都道府県、市町村の垂直的な影響はそこでどのように生じるのか。これまで多くの官僚出身知事が各地で現れたが、地方の財政状況がその要因である可能性があり、さらに都道府県と市区町村の垂直的関係にまで影響を及ぼし得る。本書では、都道府県の知事と中央官僚の出向人事に着目し、垂直的な影響力が地方の側の財政的な困窮度に対応した人事配置によって生じ得ることを計量分析で実証していく。著者について米岡 秀眞(よねおか ひでまさ) 横浜市立大学商学部を卒業。名古屋大学大学院経済学研究科博士課程を修了,博士(経済学)を取得。この間,三重県庁に勤務。山口大学専任講師などを経て,現在:山口大学経済学部准教授。専門は地方財政,公共政策。主著:「市町村合併に対する都道府県の財政措置の効果」『会計検査研究』62号(2020年),「わが国の地方自治体における汚職の要因分析」『年報行政研究』55号(2020年)など。